• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2019年10月11日(金)

ここから本文です。

知事記者会見

2019年10月11日(金)


知事発表:台風19号への対応、県庁東館2階ロビーのリニューアル、第7回世界お茶まつり秋の祭典の開催、第1回ふじのくにパラサイクリング(タンデム)大会の開催、(仮称)静岡社会健康医学大学院大学の設立認可申請と学長予定者
幹事社質問(記者質問):台風19号への対応、リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
記者質問:豚コレラ対策、吉野氏ノーベル賞授与、駿河湾フェリー、リニア中央新幹線

知事発表:台風19号への対応、県庁東館2階ロビーのリニューアル、第7回世界お茶まつり秋の祭典の開催、第1回ふじのくにパラサイクリング(タンデム)大会の開催、(仮称)静岡社会健康医学大学院大学の設立認可申請と学長予定者

(知事)

 本日の花は酔芙蓉ですね、白からピンクに変わるというわけで、赤がケイトウ、赤い実がヒペリカム。緑が石化エニシダ。小さい、これがバラだそうでございます。そうなんですか。それから、白い枝がさらしホウキであります。

台風19号への対応

 さて、現在、ご案内のように台風19号が心配されておりまして、明日の12日午後に、本県に最も近づいて上陸する恐れもありますことから、県では現在、災害警戒本部を設置して対応に当たっているところであります。県民の皆さんにおかれましては、最新の台風情報にご注意をいただきまして、必要に応じて、早めに、避難などをご検討いただきたいと存じます。台風の襲来に備えまして、万全を期していただくようにお願いを申し上げます。

県庁東館2階ロビーのリニューアル

 さて、発表項目は、4件ございます。まずお気付きでしょうか。県庁東館2階のロビーであります。お気付きですか。人類は二つに分けられる。きれいになってる花があっても、これに気付く人、気付かない人があるんですが、県庁東館2階のロビーが、散髪に行く前から行った後ぐらい、全く違う装いになりました。先週からご利用いただいてる方には、さぞ喜んでいただいていると思いますけれども、ロビー、くつろぎゾーンと展示ゾーンに区分をいたしまして、くつろぎゾーンは明るい印象のテーブルとか椅子とか、これを観葉植物をもって取り囲んで、カフェのイメージでご来庁の方たちにくつろいでいただこうという、そういう空間にいたしました。展示ゾーンは県政情報発信するデジタルサイネージと、地域外交などでお互い贈り物を交換したりするんですけれども、その交流の際の記念品に注目していただきたいと存じます。地場産業のPRとして、本県産家具を配置いたしまして、ぜひ使ってみてください。待ち合わせのスペースといたしましても、皆さま方の打ち合わせのスペースとしても使いやすくなったのではないかと存じます。

 今回のリニューアルは、これまでの県庁本館廊下の県産材による腰壁の設置とかですね、四季を映す富士山の写真なども展示してございますけれど、県庁舎の魅力創出の取り組みを一歩進めたものでありまして、管財課は来ておられますかね。管財課の元気のいい職員が、われわれはサービス産業でございますので、来ていただく方におもてなしの気持ちを、きれいな空間としてお示ししようということで、本館から始まりまして、今回東館の2階のロビーに広がったと。実際は西館の子どもさんを預かる場所がありますけれども、そこもきれいにしてくれまして、何となく管財課っていうと、あまりこう美術館的なイメージがないんですけども、静岡県の管財課は、今、学芸員的な資質を持つ、そういう課になっておりまして、せっかくですから、やっぱり女性が入ってたんですよね。だからよくなる。

(萩原課長)

 お願いいたします。管財課の萩原と申します。横が担当者の木村でございます。今回ですけども、先ほど知事からお話がありましたけれども、来庁される皆さまに少しでもいい空間を提供させてもらいたいと。県庁にはいろんな大変なご用件でもってやってこられる方がいっぱいいらっしゃると思いますので、約束の時間までのほんの少しの間でも、ゆっくりゆったりしてもらう。また用件が終わってほっとした時間かもしれませんけど、そのときに、あそこでもってくつろいでもらうということをしていただければありがたいなと思ってます。またもう一つは、せっかくお越しになられましたので、そのチャンスを頂戴いたしまして、県としてのPRを少しでもさせてもらいたいということで、今回はリニューアルをさせてもらいました。

 というふうには言っておりますけども、実際の発案はこちらの担当者がやっておりまして、自主的に県庁の中の関係課、管財課も含めて計5課ですね、職員を束ねまして、ワーキンググループをつくった上でもって、自主的に今回やったということが特によかったかなと思ってます。そういった意味では、結果としてできたものもありますが、県職員のこういう若い職員がいろんなことを、アイディアを発出して、それを現実にしていくというところを、ご覧になっていただければありがたいと思います。

(管財課 木村主任)

 管財課木村と申します。今回、ロビーはくつろぎゾーンと展示ゾーンを設けさせていただいて、その調整に当たっては、関係各課の若手職員と自主的なワーキングで積極的な意見を取り入れて、リニューアルが完成できたと思います。来庁される皆さま方に気持ちよくロビー使っていただければと思います。ありがとうございます。

(知事)

 ありがとうございます。実は皆さん会見室も、こちらは染みしかなかったんですね。今日僕もびっくりしましたけど、秋の紅葉と富士山、これかけてくれて。これ管財課ですか。あ、広報課。だからもう管財課だけでなくて、あちらは逆さ富士が写ってるんですかね、いわし雲の。そういうふうにして、皆さま方が気持ちよく仕事できるようにと心を配っているところであります。

第7回世界お茶まつり秋の祭典の開催

 二つ目の発表項目でありますけれども、第7回世界お茶まつり、秋の祭典についてであります。世界お茶まつり、秋の祭典を11月の7日から10日にかけて実施いたします。ちなみに春の祭典は、去る5月10日から3日間、ふじのくに茶の都ミュージアムを中心に広域開催いたしまして、天候にも恵まれましたので、前回を上回る4万千人のご来場をいただきまして、大変盛況でした。3年に1回やっておりますので、これは今回7回目となりますが、今回の世界お茶まつりは茶の都しずおかづくりに取り組んでおります本県におきまして、世界に向けて日本茶の魅力を発信し、新たなお茶の文化の創造、あるいはまたお茶の需要の創出を図りつつ、日本茶が世界に普及することを目的に、テーマは「繋ごうお茶」にしております。また、環境への配慮と国連が提唱なさっているSDGs、サスティナブルデベロップメントゴールズの理念を基にいたしまして、障害のある方への支援、あるいはマイ茶わん、自分の茶わんの使用によるごみの削減、持続可能な農業を推進していくという、こうした考え方を周知する役割も担っております。秋の祭典は、グランシップを会場に行われます。お茶の産業、文化、学術を一体的に発信する予定でございます。総合見本市ワールドお茶メッセをはじめ、世界大茶会、静岡健康長寿学術フォーラムなど、多彩なプログラムを計画しております。国内外から多くのお客様のおもてなしをしようということで、おもてなしの心を持ってお迎えいたしまして、緑茶の中心地静岡茶の都、茶の都静岡の魅力を楽しんでいただこうと考えております。

第1回ふじのくにパラサイクリング(タンデム)大会の開催

 三つ目の発表項目でありますが、第1回ふじのくにパラサイクリングタンデム大会の開催であります。東京2020オリンピック・パラリンピックの自転車競技が本県で開催されることを契機に、パラサイクリングの裾野拡大を図るために、今月19日、土曜日ですが、静岡競輪場におきまして、第1回ふじのくにパラサイクリングタンデム大会というのを開催いたします。県レベルの競技大会としては、全国初の大会となります。この大会をパラリンピック300日前イベントとして位置付けております。障害者スポーツに対する理解を促進し、パラリンピックの気運の醸成を図るものであります。県自転車競技連盟、また日本パラサイクリング連盟、日本競輪選手会等のご協力によりまして、パラリンピック本番と同じ競技種目であるタンデムタイムトライアル1キロメートルを行います。タンデムというのは2人乗りですけれども、2人乗りのタンデム自転車は、後方に視覚障害のある方が乗りまして、前方にパイロットが乗車いたしまして、力を合わせて走行するものです。視覚特別支援学校の児童、生徒さん19人を含む計26人がエントリーをされています。特別支援学校の教員の方などのほか、現役の競輪選手15人がパイロット役となって、合計52人が大会に参加いたします。視覚特別小学校の児童生徒の多くは、今年2月から3月の体験会で初めて自転車に乗って、風を切る楽しさを感じたとか、大変喜ばれておりまして、その後練習会などにも参加していただいております。ぜひ多くの方々にご来場いただきまして、選手の応援だけじゃなくて、タンデムや、また三輪のパラサイクリングの乗車体験も楽しんでいただければと存じます。

(仮称)静岡社会健康医学大学院大学の設立認可申請と学長予定者

 四つ目の発表項目でございますが、仮称ですけれども、静岡社会健康医学大学院大学の設立認可申請と学長予定者についてです。すでに一部の新聞で発表されておりますが、開学に向けて準備を進めてまいりました、仮称ですけれども、静岡社会健康医学大学院大学につきましては、ノーベル賞を昨年とられました本庶佑京都大学特別教授を委員長とする静岡社会健康医学大学院大学検討委員会が、去る10月9日に開かれまして、文部科学省への設置認可申請の提出について了承されました。それを受けまして、今月25日に提出することといたします。開学は令和3年、2年後の4月を予定しております。申請に当たりましては、本大学院大学の学長予定者を、京大名誉教授であり、静岡県立総合病院リサーチサポートセンター長でもあります。宮地良樹先生へとすることといたしました。宮地良樹先生は静岡市ご出身であります。静高ご出身です。本大学院大学の構想段階から関わっていただいた先生です。なお、宮地良樹さんは、大学院大学の運営のために設立する公立大学法人の理事長も兼任していただく予定であります。今後、文部科学省の大学設置学校法人審議会による審査を経ました後、順調に進みますと、令和2年8月ごろに認可が下りると存じます。認可が滞りなく下りるような、引き続き万全を期していくということでございます。私からの発表は以上でございます。




幹事社質問(記者質問):台風19号への対応、リニア中央新幹線

【台風19号への対応】

(幹事社)

 ありがとうございました。発表項目について質問のある社はありますか。

(記者)

 よろしくお願いします。冒頭に話された台風の件ですけど、ちょうどひとつき前伊豆半島を中心に被害がありました。その辺りを中心にどのような警戒を呼び掛けたいと思われますでしょうか。

(知事)

 そうですね。まだ二次災害も起こりかねないような状況です。特に、例えば、伊東の池地域あたりはですね。ですからそこに職員も派遣をいたしまして、事前に、前回のようなことが起こらないようにすると。ですから地元の方たちが昼夜健康であって、どうにか隧道(ずいどう)が機能するようになりました。また私自身も、見にまいりまして、鳴川の水が順調に流れていると。そして、池の田んぼから水が完全に引いてましたね。ただ、まだ倒木もございました。なるべく、そうしたものが、また下に落ちてきて詰まらないようにと、そのようなことのほか、昭和33年の狩野川台風規模というふうに気象庁の方から言っておりますので、それに対する万全の体制をとるということで、沼津土木事務所、関連の人たちを派遣いたしまして、情報共有しながら、避難なども含めて行うと。県と市町が一体になってやるということで、今の職員の派遣という段階でございます。

(記者)

 先ほど警戒本部の本部員会議に知事も出られてたんですけども、事前にこういった大規模な体制を組まれるっていうのは、初めてだというふうにお聞きしていたんですけれども、今回の台風の大きさ、深刻さあるいはその点踏まえて、あらためて事前にこの本部を立ち上げた趣旨というのを知事の口からお聞きしたいです。

(知事)

 そうですね。台風15号で千葉が大きな被害、なかなかに回復しないという現実を目の当たりにしまして。停電もございました。そして、もちろん風によって屋根が吹き飛ばされたり、今も非常に厳しい生活を強いられてる方たちがいます。これは他人事ではないと。われわれも、その前の台風で60万戸が停電したんですね。それ1週間近くかかったわけですけれども、1週間もかかったという感じだったんですが、千葉の方は、それをはるかに倍する日程がかかっても、まだ完璧ではないっていう状況でしょ。これを見ながら、われわれとしては前回の台風の対応から得た教訓も踏まえて、事前の体制をしっかり整えるということで、そして市町にそのことを呼び掛けるということで、全県を挙げてこの台風19号に対して備えようと。こういうことで、今回、本部を立ち上げたということでございます。

(記者)

 台風の態勢の関係ですけど、職員の派遣というのはそれは伊東の市役所なんでしょうか。それとも東部伊豆を中心に町役場、市役所に派遣をするというそういうイメージなんでしょうか。そこを教えていただけますでしょうか。

(知事)

 まずは東伊豆には、まだ復旧途中のところもございますので、そこに直接派遣いたします。それ以外のところにつきましては、沼津から市町の必要に応じたところに人を派遣すると、こういう段取りになっております。

(記者)

 人数等については検討中ということですか。

(知事)

 人数等については調整するかと存じますけれども、ちょうど危機報道官がいましたので現状で報告をお願いいたします。

(植田危機報道官)

 人数等についてはすみませんまだちょっと、該当市町、今お話ありました伊東市、東伊豆町と調整中でございます。一応他の市町につきましては、これはすみません、やはり明日からの災害の推移の様相をみて、また災害発生の状況を踏まえて考えていきたいと思っています。以上であります。

(記者)

 引き続いてごめんなさい。派遣は今夜中にという理解でいいですか。

(植田危機報道官)

 すみません、一応それもまだ、両市町には県の方から「今日からどうですか」っていうことをお話をしてるんですが、ちょっとまだ回答は返ってきておりませんので、ちょっとお答え控えさせてください、申し訳ありません。

(幹事社)

 他発表項目に関しては、大丈夫ですか。それでは、幹事社質問に移ります。

 1点、リニア中央新幹線のことについてです。トンネル掘削工事により、大井川の湧水が他県へ流出する問題についてですが、10月4日に開かれたJR東海との意見交換会で、同社は青函トンネルなど他の工法と比較しても、現在予定している工法からの変更は困難との認識を示しました。これについて知事の受け止めをお聞かせください。また、知事は従来から環境保全とリニアの早期整備の両立を求めています。JR側は、工法、ルート、いずれも変更は難しいとしている中で、知事が期待するものは何か具体的に教えてください。

(知事)

リニア中央新幹線

 はい。まず最初の方のご質問ですが、今、質問にございましたように、10月4日に意見交換会がありまして、JR東海のご説明によれば、他県側へのトンネル湧水の流出について、現在予定している工法からの変更は困難であるという認識が示されたということですね。これは非常に大きいと思います。ただ、依然として複雑な南アルプスの地形を考慮した湧水量の算出根拠、これについてどういうものですかということで聞いていたんですけれども、提示がありませんでした。また地質図についても提示がありませんでした。最新データの提示もありませんでした。従って、従来のやり方のままやると。そして水は戻せないということが明らかになったということであります。ですから、当然委員会は紛糾したということで報告を受けておりますけれども、例えば難波副知事が、次のような発言をしてますね。「JR東海さんが毎秒3トンを上限にリスク管理を行うということは技術的に可能ということでありながら、一方で、静岡県の方に向けて下向きに掘ると水没するリスクがあるので、安全性に問題があると言ってるのは矛盾してる」と。そのとおりだと思いますね。

 それからまた、JR東海さんは、工事期間中にトンネル湧水の一部が県外に流出しても、工事完了後はもとより、工事のどの段階においても大井川の河川流量が減少しないという認識ですけども、これは、常識的に考えてもおかしいですね。ですから、県外流出すれば、大井川水系の水の総量が減るわけでありますから、大井川の流量はその影響の程度はともかくといたしまして、影響があるというふうにしなければなりませんので、こうした通常の常識まで無視した詭弁(きべん)だというふうに捉えております。ですから、振り出しに戻って対話を始めなければならないと思うほど、JR東海さんの対応に疑問を持っております。

 では二つ目のことですけれども、われわれはリニア中央新幹線に反対するわけじゃないんですね。南アルプスのトンネルは、掘れる技術はあると。これは間違いないでしょう。土被り1400メートルでも掘れるという。だけど、水をどう処理するかについては、トンネル掘ったときに出てくる水を、処理すればいいだけという、そういう考えだったということが、明らかになりましたね。ですから、われわれのその水を、不可欠の水源にしている南アルプスからの命の水であるという、そういう認識はお持ちでないまま、今のままだと県外流出は避けられないって言ってらっしゃるわけでありますから。しかし、検討するとも言っておられますので、ぜひ、他県にトンネル湧水が流出しない工法をお考えいただきたいというのが、私の立場であります。南アルプスを保全するということ、これは国際的なわれわれにとっての義務です。なぜかって言うとそれがエコパークだからです。そこがエコパークであるのは、その生態系が、非常にまれなぐらい素晴らしいものであるということでありますが、それはすべて水脈といいますか水に拠ってるわけですね、水脈に影響を及ぼすようなことはあってはならないということで、南アルプスの保全というのは、これを決して譲ることができないってことですね。

 だからリニアはリニアとして、やれることをやってくださいということなわけですが、差し当たって、南アルプスに手をつけるということであれば、そこにある水量、水質、それから土捨て場、それからその監視体制、こうしたことについて、明確にした上で工事に入ってくださいというふうに申し上げておりまして、その立場は変わらないということです。仮に、そうですね、試験があって、受験があって、大変英語が得意だけど数学が苦手だとした場合ですね、どういうふうにするかと。英語で満点取って、数学は今のままでというやり方もあるでしょう。どうしてもできない数学の問題に対して時間を取って、英語の勉強をする時間も少なくすれば、結果的には、なかなか平均点も上がらないところがあります。それに似たようなことじゃないかと思いますね。今、南アルプスは、従来の想定からは外れたような、想定外の今、困難にJR東海さんが直面していると。言ってみれば、今回、台風19号に対してわれわれが事前の措置をとっておりますけれども、前もってそういう措置をとらなくちゃいけない、それくらい深刻な事態だと。では、どうしたらいいかと。だから、工法についてはじっくり時間をかけないとできないということがはっきりしておりますので、ならばできるところからやったらいいんじゃないかというふうに私は思いますね。例えば、大阪、奈良、三重とかそこを先にするとかですね。そこをやることになってるわけですから、もともと2045年に造るっていうことだったのを、政府から財投が入ったので、10年早めて2035年でしょ。そして、今の従来の想定では2027年に名古屋、品川間をつなげるということだったんですけど、最終的に2035年の大阪までつながらなければ、リニアの効果っていうのは、ほとんどないに等しいわけです、と私は思っております。それならば、2035年と2027年の間をとって、例えば2032年、2033年に全線開通をするということで、やれるところからやりながら、時間をかけて、工法がひょっとしたら、トンネルを掘りながらお水を全部戻せる工法ができることになるかもしれません。それくらい、一から考え直さなきゃならないことに直面されてるという認識を持っております。

 実は今、先ほどちょうど、朝ですね、国交省鉄道局長主催の静岡県JR東海の3者協議を行いたいということで、午後2時に来てほしいということで、難波副知事が、今向こうと交渉しております。鉄道局長というのは、水嶋智さんです。東大法学部出身だから技術屋じゃないですね。いずれにしても彼は鉄道局長で、彼とJR東海さん、多分、宇野副社長が来られるんじゃないかと思いますけれども、申し合わせは3者で行うってこと、3者でいろいろ協議をするってことを申し合わせてございましたので、今回初めて、その段取りが整って、われわれとしては難波副知事を、本部長ですから彼を派遣したということで、今、交渉してといいますか、議論してると存じます。帰ってきてから、すぐに私は報告を受けたいと思っております。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(幹事社)

 今お聞きした、その3者協議っていうのは、どういった趣旨での3者の協議でしょうか。

(知事)

 これは、8月くらいに愛知県の方から、ぜひ国の関与してほしいというような意見がありまして、私も大村知事とお目にかかりまして、これは全幹法という、全国整備新幹線法に関わる法律に基づいて、JR東海さんが進めている事業なわけですね。ですから国が関与されているので、私もこの件については国の関与が望ましいということで、愛知県の大村知事さんと合意いたしました。それを受けまして、私ども、国の方に働きかけまして、結果的に静岡県とJR東海さんと国とが3者で協議していくという、その申し合わせをいたしました。それに基づいた、今日は会議ということです。

(幹事社)

 会議が具体的にどういうことを話し合うところっていうのは。

(知事)

 これは鉄道局の方からの、来てほしいということなので、話題は国の方から出るかなと思っております。われわれの方はもちろん説明すると。現状について、3者で共通認識を深めるということは、まず行われて、そして国の方の関与について、今度それに基づいて、次のステップが生まれる可能性がありますが、今、差し当たって、それ以上のことは分かりません。どういうテーマで話し合うかっていうことについて、言われたわけではありませんので。

(幹事社)

 ありがとうございます。関連して、他各社さんありましたらお願いします。

(記者)

 ちょっと確認になるんですが、前回、知事の方からルート変更は求めないとおっしゃったので、先ほどの言い分であると、先ほど幹事社からの質問では、工法かルートかに変更を求めるのかという質問だったので、今の知事のお答えからすると工法については変更求めていきたいという趣旨のことと私は受け止めたんですけども、それで間違いないでしょうか。

(知事)

 そう、そのとおりです。今の工法のまま進めるとおっしゃってるわけですね。今の工法以外の方は考えられない。しかしながら、検討するとおっしゃってるわけです。ですから、この工法について、県外に流出することのないような工法を、彼らは全量戻しというのが約束ですから、それを提示する必要があるんですね。それに対して、われわれは待っているということです。

(記者)

 それと、現在やっているという3者協議に対して、今、鉄道局の方から言われて行ったのであって、その内容について関知していらっしゃらないとおっしゃったんですけど、知事がこの3者協議に対して望むことというのは何かございますでしょうか。

(知事)

 そうですね、現状をしっかり国が把握するということが大事だと思います。今の生物多様性会議だとか、地質に関わる会議、この二つございますけれども、国の方からもオブザーバーとして入ってきていただいてるわけですね。その情報は上がってると思いますけれども、最高の責任者、局長が直に、それぞれのトップから、宇野さんと本県を代表している難波本部長から聞くということになったので、いくつかの確認と、それから何らかの提示があるかもしれないなと思っていますが、取りあえずは、彼が帰ってくるのを待ちたいと。何とか、エコパに行く前に帰ってくれればいいなと思ってるんですが。

 今日はおもてなしで、オーストラリアとジョージアの試合に行って、ホスト役ですから、行かなきゃいけないということで、さもなければ後から、こっちに戻ってくるんじゃないかと思いますので、皆さんの方でも、先に情報があるかもしれませんね。

(記者)

 ありがとうございました。

(記者)

 国交省が今日やるよっていう話は、今日この通知が来たっていうことですか。

(知事)

 そうです。私、今朝何時ぐらいになるでしょうか、静岡新聞社で、税務署の話と、消費税うんぬんに関して話をして戻ってきて、難波君が来て入って、これから行くという。ああ、そうですかってことで、だから、今朝の10時くらいだと思いますね。

(記者)

 今、期待されることっておっしゃったんですけれども。

(知事)

 ようやく局長が腰を上げてくださったというのは大きいです。

(記者)

 先ほど、先週の部会の中で、今、振り出しに戻るようなというような受け止めをされてましたけれども、今ままででもJRさんの態度であるとか、なかなか、ほしいって言った資料を出してきてこないっていうところを踏まえて、国に、JRに指導してほしいとかそういったところってありますか。

(知事)

 現状分析すると、自ずと対策は出てくると思いますね。工事に関わる人に危険があってはいけないですね。なぜ、下向きに掘るかというと、畑薙山断層ってのがあって、そこに相当の水がたまってると。それがボーンと出てきたら水没しますからね。ですから、下向きに掘らざるを得ないということでしょう。いえいえ上向きに掘るんだ、そうすると水が流れるから。下向きに掘ると水没するから、だからもうそこに水があるということは分かってるわけですね。1キロもあるわけでしょ。巨大な量ですよ。それを、われわれは表面を流れる大井川だけではなくて、大井川の水脈ってのは地下にもありまして、その地下水に依拠している。会社も数百社ありますよね。そういう会社のことも含めて、見ますと、流域全体なんですね。

 ですから10市町があると思いますけども、首長、先生も水のことは大変に心配されてますから、こうした情報は、やはり鉄道局の方もしっかり認識していただいて、現状認識した上での政策ということが大事だと。それの、重要な一歩になったかなと。われわれがオブザーバーとして来てくれと言いまして、前の大臣、石井大臣が即対応していただきました。数日後に来てくれましたね。そして、来るべき人もレベルが上がりました。今度は最高責任者が自ら担当者、直に話を聞きたいって言ってるわけですから。ですから、その意味では、大いなる前進ではないかと思っております。

(記者)

 そういう意味では、何らかの提示があるのではないかという期待をされてましたけど、そのへんの穴埋めをするというか、そういったところも、余談になっちゃいますけど。

(知事)

 水嶋さんという人を存じ上げないんですが、道路局はある程度分かるんですけど、運輸絡みの方は分かりません。技術者でないということだけ、経歴で見たら分りましたが、正しい判断をされるように願っています。

(幹事社)

 リニアに関する質問は大丈夫ですか。

(記者)

 リニアの関連といえば関連なので、今このタイミングでお伺いします。今月7日に、山梨県内にあるJRのリニアの実験線の車両基地で火災が発生して、作業員3人が衣服に火花が燃え移って重軽傷を負うという事故がありました。これはリニア新幹線への信頼を揺るがしかねない事態だと思うのですが、この事故に対する知事の受け止めとJRに今後望む対応を教えてください。

(知事)

 いいご質問だと思います。この火災が停車中の車両から発生したと。そしてそれの鎮火に1時間20分かかったと。そして3人のうち2人が重傷を負ったと。お一人が軽傷といえ、ともかく火傷をされたということですね。もしこれが走行中であったり、あるいはアルプスの下であったらどうなるのかと思いますね。パニックになるのではないかというふうに思います。仮に鎮火できて、しかし点検のために動かさないとなれば乗客をどうしなくちゃいけないかと。であれば、非常口から逃がさないといけません。だけど非常口なってないですねあれは。大体千メートル下から、はす交いに向かって上がるわけですから。山の中を2、3キロ歩かされるわけです。しかも出たところ山の中です。これはもう論外の非常口です。非常口になっていないと思ってるんですね。もしもこういうことが起こると、あなた方が非常口と言ってることが非常口にはなってないと。だからそこで、もうほとんど冬であれば凍え死ねというのと等しいような、そういうものを非常口と称してるのもおかしいと私は思ってるんですが。今回の火災は、そうした危機管理に対して重大な警鐘を鳴らしたというふうにみております。

(記者)

 知事が先ほど指摘された非常口の構造などについても、今後改善を求めていかれるというおつもりはあるでしょうか。

(知事)

 そもそも非常口と言うのがおかしいと。これはグローバル地域研究センターの西先生が、スイスの下を走ってるトンネルからの非常口について、その山の中に非常口が出られるようにしてるっていうのは論外だと。JR東海さんがそれをもって非常口と言ってるのは世界を知らないというふうにエッセイというか、論文で書かれています。グローバル地域研究センター、西、なんて言ったかね。東西南北の西という先生ですが、ぜひ論文取り寄せてみてください。説得力のある論文です。

(記者)

 ありがとうございました。

(幹事社)

 ほかリニア関連はよろしいですか。ではそれ以外に質問ある社がありましたらお願いします。




記者質問:豚コレラ対策、吉野氏ノーベル賞授与、駿河湾フェリー、リニア中央新幹線

豚コレラ対策

(記者)

 豚コレラの関連でお尋ねします。農水大臣にワクチンの接種の要望を前回の会見で行ったということは明らかにされましたけども、その後についてと、また県の取り組みについて変化があれば教えてください。

(知事)

 私どもは今、実際に発症した所、周辺に位置してるわけですね。その周辺地域についても推奨地域として指定してくださいと。さらにまた、ワクチンの接種についても人員が限られてますのでね。獣医師の先生もできるようにしていただきたいと。それからまた、法律に基づいて所有されてる方もできるようにしていただきたい等々、かなり具体的に要望したわけですが、差し当たって推奨地域には入れていただけなかったということで、引き続き国の方に働きかけていきたいと思っておりますが、最新の情報は、今日は遇遇、農林水産担当部長が来てますのであなたの方から。

(志村農林水産担当部長)

 農林水産担当部長の志村でございます。ただいまのワクチンの推奨地域の関係につきましては、やはり本県としましては、野生イノシシで感染が確認されてからのワクチン接種ということですと、手遅れに、遅れるということも可能性があるということで、本県といたしましては、やはり推奨地域に含めていただきたいという要望を引き続きしていきたいと思っております。

(記者)

 引き続いてすみません。その要望を続けていくっていう、他県でもそういう要望やってるんですが、その周辺の県と連携してということもありえますかね。どうでしょうか。

(志村農林水産担当部長)

 そうですね、他県でも、本県と同じように要望している県がございますので、またそのへんは連絡、連携を取っていきたいと思っております。

(記者)

 具体的な県というのは頭の中にありますか。

(志村農林水産担当部長)

 まだ、具体的にはありません。

吉野氏ノーベル賞授与

(記者)

 ノーベル賞のお話で、吉田さん、一応富士市で10年ほど研究されてたっていう話なんですけれども。県として何かしら表彰するとかそういったお考えが今ありますか。

(知事)

 もうこれまで天野先生、また本庶先生に対して、県を挙げてお祝いをしたいということで、そういう形をしましたので、今は先生それどころじゃないと存じますけれども。ちょっと落ち着かれましたら、そういうふうにしたいというふうに思っております。何しろ旭化成はそこでまだ今研究を継続していただいておりますしね。それの名誉フェローということでいらっしゃいますので、ぜひお祝いをしたいと思っております。

(記者)

 賞の名前は県民栄誉賞ですか。

(知事)

 ノーベル賞に匹敵する、県が差し上げることができる最高の賞ということになると存じます。

(記者)

 では県民栄誉賞ですね。

(知事)

 一応そういうことですよね。ただ、今皆さんの合意を得た上で、みんなにことほがれなくちゃいけませんので、多分そうなると思いますけれども、その上で発表させていただきたいと思います。

(記者)

 ありがとうございます。

(記者)

 燃料電池に関しましては、県もちょっとそこまでつまびらかにしたいんですけど、燃料電池車の導入だとかにいろいろ非常に熱心な事業をいろいろやってらっしゃると聞いてるんですけれども。今後、吉野先生を、例えば県の何がしかの審議会の委員をお願いするとか、そういったようなことを検討されるということはどうですかね。

(知事)

 そうですね、EV、先生もEVがこれが大きいとおっしゃってるわけですね、リチウム。ですからご相談をする場面も増えてくるんじゃないでしょうか。ちなみに去年、国際賞取られてるんですね。今年、欧州発明家賞も取られていて、ここで皆さんにご披露申し上げてきたわけですが。やっぱり不思議ですね、ノーベル賞になると県民の皆さま方の反応も違いますし、私どもの気分も違いますし、先生も富士山のもとでの研究環境すごくいいとおっしゃってくださってるので、そうした中で、先生が、具体的に提唱されることがあれば、こちらでそれを活用させていただきたいと思っておりますから。そういう場面が出てくればいいなというふうには今思っております。

駿河湾フェリー

(記者)

 駿河湾フェリーについてお尋ねします。昨日の一般社団法人の方で9月の利用実績が発表されまして、4月から9月の半年間で、去年より約1万人ほど下回るという結果になったことについて、台風なのでしょうがない部分もあるかと思うんですが、赤字がこのまま膨らんで、20万人は厳しいという言い方でした。知事、今後の対応策、てこ入れ策等あれば教えてください。

(知事)

 今、3市3町と一緒に知恵を絞ってるところなんですけども、8月の台風などで欠航ということがございましたので、そのダメージ引きずってるんですけれども。一方で皆さんこの応援する気持ちは強いんですね。ですから、ふるさと納税のお礼に乗車券あげたらどうかという意見などもあって、なるほどそれも一案だなと思ったりしておりますが。それと山梨県にも、もっと働きかけたいと思っております。今度11月には富沢から南部の道の駅まで開通しますので、もう今よりももっと短くなるわけですね、時間が。来やすくなるので秋から冬にかけての富士山きれいなので、山梨県の方には、ぜひ海を楽しんでいただくといったようなこともありまして。今のところ妙案っていうのは残念ながらないんですけども、何とか目標の20万に近づけるように努力しようと思っております。

 また船体の中身を少しやり変えた方がいいとかですね、いろんな意見が出ておりまして、今そうした意見を集約しながら場合によっては2月の当初予算でそうしたものを組み込んで来年につながると、いうことも想定内に入っています。

(記者)

 それでもう一つ、あらためてフェリーの必要性について教えてください。

(知事)

 もうこれは極めて重要で、これは県道223富士山ですからね。そして海から富士山を眺めることができる、しかも1時間5分前後という理想的なもので。そしてまた災害時に必要なものでもあります。伊豆と駿河を結ぶ貴重なもので、活用の方法はいくらでもあると思うんですけど、これはなくちゃいけないということでございまして。

 そしてまた、それを運航されておられました会社から船体も、それから船着場もですね、必要なもの全部無償でご提供いただいておるものですから。ともかくこれは生かしていこうということで、3市3町一丸になってしばらくこのために知恵を絞りながら、安定軌道に乗せたいなということであります。

(記者)

 すみません、災害時の利用についてどうやって、例えば津波とかがあるときに海は渡れないと思うんですが。どうやって活用されるのか教えてください。

(知事)

 そうですね、船というのは何て言いますか、助けに行くことができるわけですね。ですからそれが被害に遭う可能性もあるわけですけれども、しかしながら道路が寸断されているときに、船で沿岸近いところまでいって何らかの救助活動をするとか、あるいはそこから人を船に運び入れるとかですね。いうことでございまして、鉄道、道路、空、海、全てこれアクセスする上で極めて重要で、そういうアクセスの道の一つとして、この県道があり、その上に浮かぶ船があるということでございます。あるとないとでは全然違うと思います。

(記者)

 ありがとうございます。

リニア中央新幹線

(記者)

 これお願いなんですけども、先ほどの鉄道局の3者協議、難波副知事から知事にご報告あると思うんですけど、その後整理された後、難波副知事に取材に応じていただけるようお願いしてよろしいでしょうか。

(知事)

 ぜひやってください。直に聞く方が良いですよ。私から伝言ゲームで聞くより。それは可能でしょうか。何時に帰ってくるか知りませんのでね。

(記者)

 すみません。よろしくお願いします。

(知事)

 ぜひお願いします。はい。皆さんが知るべき筋のものだと思いますよ。




ページの先頭へ戻る